CASTビジネスアカデミー

統合失調症からの回復―仕事へ繋がる緩やかなスモールステップと今の思い

こんにちは。就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーで職員をしております田中と申します。

4年前はCASTビジネスアカデミーの利用者でした。統合失調症を患って10年以上の精神障害者です。

今日は、私のことを少しお話しできたらと思います。

統合失調症を発病したのは、法曹を目指して大学院で勉学に励んでいるさなかのことでした。ようやく病院へ行き、服薬治療を始めたのは、職業の失敗を15回以上も経験してからのことです。
当時は、友人たちが社会で活躍していく中、自分だけが大きく取り残されたような気持ちでした。

利用者として、就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーに毎日通所し、規則正しい生活を送りながらの体調の回復は、とてもゆっくりとしたものでした。
CASTビジネスアカデミーでのたった4時間の作業時間でも、家に帰ると、ぐったりして、しんどさでお風呂に入れなかったり、すぐに朝まで寝てしまうこともありました。
統合失調症の後遺症で、認知機能が低下したり、感情が平板化して、人と話すことや自然な笑顔を作ることも難しかった時期もありました。
そこから一歩一歩、少しずつ少しずつ、自分のできること、やりたいことを増やしていきました。
作業内容も、単純な入力作業から始まり、次第に他の利用者さんが作成したデータのチェックや取りまとめといった、仕事らしい作業が行えるようになっていきました。
自分だけの作業から周囲と協力して進める作業へ、そして施設外実習へ……と、ゆっくり負荷を増やしていきながら、自分の体調に合わせて着実なスモールステップが踏めたことは、非常に良かったと思っています。

そして、就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーで学んだ1番のことは、頑張った自分を自分自身でも認めてあげること。失敗したときは、失敗したことを次に活かすこと。
職員の方が教えてくれた、シンプルですが、今でも仕事をしていくうえで大切にしていることです。

まだまだ未熟な支援員で、自分が好きかと言われると、胸を張ってYesと言えないときもあります。
そんな中でも、CASTビジネスアカデミー職員として、ここで、私と同じように少なからず生きづらさを抱えた方々が、社会に出て、障壁を破り、社会を少しずつ変えていくありさまを拝見させていただくうちに、「私にも何か生きる意味があるのではないか」と思えることが増えてきました。

病気になったことも含めてこれが自分で、いろいろな思いを味わった分、生きることに少し深みがでたようにも思います。
人が生きていくということは、とても尊いな、と感じます。
就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーの利用者さんとともに、私自身もこれからも成長できればと思っています。

もしも、一人で抱えきれない思いをお持ちの方がいらっしゃれば、いつでもお声掛けくださいませ。
みなさまからのご連絡を心よりお待ちしています。

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CASTビジネスアカデミー

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