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いじめ、ひきこもり、抑うつ、上手くいかなかった就職
初めまして。就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミー元利用者のSと申します。
ここでは私がどういった経緯でCASTに来たのか、CASTでは何をしたのか、どうやって就職に至ったのかをお話しできたらと思っています。
わたしは中学時代にいじめにあい不登校、抑うつ状態が続くようになりました。
ひきこもり生活は中学時代から高校時代にかけて、5年弱ほど続きました。
少し回復していた時期もあり、専門学校へ進学しましたが、卒業後は就職とその継続が上手くいかず。
フルタイムで接客業をしていた事もありましたが、数カ月しか続きませんでした。
見学で「大丈夫かも」と思えたCASTビジネスアカデミー
そんな中で、かかりつけ医と精神保健福祉士さんから紹介されたのが、「CASTビジネスアカデミー」という就労移行支援事業所でした。
正直、当時の私は福祉に疎くて、就労移行が何かも分からなかったし、A型・B型の事業所との違いも分かりませんでした。
最初の接点は、見学を電話で問い合わせたことでした。
見学は、事業所の実際の現場を見ることができるし、分からない事は色々聞くこともできました。
見学後も時間があり、悩みであったり、ここが自分に合っている事業所なのかを確かめる機会があって、人間不信気味の自分でも、ここなら大丈夫かも?と思えました。
体験は2年の期限を無駄にしないため。安心を感じ利用開始
見学の後、2週間体験利用をすることに。
自分の体力面などの現在地を「知る」という観点から、まずは体験利用で、とのことで、週に数回通うところからも利用可能だし、就労移行支援は2年という期限があるので、いきなり利用して期限が無駄にならないための体験利用だと後で聞いて、なるほど!と思ってしまいました。
CASTでの体験中は、良い意味で就労移行支援事業所でないかのような実践的な雰囲気に、最初は緊張しましたが、スタッフさんの丁寧な対応や利用者さん達の昼休みの和やかな雰囲気を実際に見て、この環境であれば安心できると思い、利用を決意。
CASTでの一番の収穫「自己理解」で少しずつ課題解決
はじめのうちは簡単なデータ入力作業から始め、少しずつ心身をCASTに慣らしていきました。
体力面では、作業後は家に帰ってからどうしても仮眠をしてしまうことが多く、精神面ではまだ波があり、就職までには課題がいくつかあったと思います。
こういった課題については、スタッフさんと一緒に「自己理解」をすることで少しずつ解決していきました。
自己理解という言葉は、CASTに来て初めて聞いた言葉でしたが、調べてみると意外と心理学や就職活動の際に使われているようで、自分を客観的に理解し、性格・価値観・適性などの特性を把握、自己分析することだそうです。
CASTに来ての一番の収穫は、この「自己理解」だったと思います。
用意されていた自分を考える整った環境。特性は自身の一部
私の場合は、中長期的に意識しないと「自己理解」はなかなか深まりませんでした。
つまり、目の前の作業や課題に思考がいってしまって、自分について考えるのは意外と難しい。
でも、CASTではそれが出来る環境が用意されていました。
何か悩みがあれば、スタッフさんが時間をとって面談をしてくれるし、作業(仕事)をしている自分をいつも見ている人の意見を聞くということは、新たな発見が多くありました。
自分自身がどれぐらいそのフィードバックを求めるかにもよるとは思いますが、私の場合は、せっかくの機会だったので、最大限それを求めました。
大事だと感じるのは、「癖」や「特性」は悪い事ではないということです。
自分でその「癖・特性」を自分自身の一部だと認めることは、「自己理解のかけら」ではあるのですが、確実な歩みの証拠でした。
自己理解の好循環の大きなメリット
個人的には自己理解が深まっていったときのメリットはあまりにも大きいものでした。
今の自分の良い所も良くない所も認めることが出来るようになりましたし、それによって他の人との違いに気付けて、他の人も受け入れることができるようになりました。
そこから苦手だったコミュニケーションへの意識が変わり、いわゆるコミュ力もだいぶん上がったと思います。最終的には自分への自信に還元されていきました。
こういった自己理解の好循環は、繰り返しになりますが、私がCASTで学んだものの中で最も重要なもので、今もそのサイクルは続いています。
忙しい学校生活や仕事の中では、こんな考え方は生まれなかったと思います。
失敗してもリスタートできる。ポジティブな流れで念願の就職へ
CASTの環境からも大きな影響を受けました。
自分を理解するためには、いろいろと試してみることが私には必要でした。CASTでは、失敗してもリスタートできるという環境や雰囲気があって、いろんなことにチャレンジできました。
また、利用者さん全体がポジティブな気持ちをもっており、私自身もその流れに乗って目標に向かっていくことができたのは嬉しかったです。
就活面では、企業情報を集めていくのと並行して、自分はどんな仕事をしたいのか、何が適職なのか、優先順位は、などをスタッフさんと一緒に考えていきました。履歴書作りや面接対策もサポートしていただき、結果として希望していた職種で就職ができました。
人生の転換点だった、愛を感じるCASTでの日々
最後に、CASTで過ごした日々は、私の人生の転換点だったと振り返りたいと思います。
確かに山あり谷ありなときもありますし、先輩方は就職して卒業されていきます。
出会いがあり、別れがあります。
CASTのスタッフさんと利用者さんが共に頑張っている姿は、福祉サービスという垣根を越えて、愛を感じることができました。
この文章を見ている皆さまにも良い未来があるよう、お祈りしています。